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スティックPCを省スペースな展示用動画再生機にする方法

11月13日のデジゲー博2016で、知人の会社の出展のお手伝いで動画再生環境の設営をした。

お手伝いした「株式会社タノシマス」のスマホシューティングゲーム「アカとブルー」
tanoshimasu.com

とそのPV
https://youtu.be/o83B-dm5JA8youtu.be

当日は割とひっきりなしに体験版をプレイしてる人がいたようで、盛り上がった模様。

現地では、上のPV動画の再生用にスティックPCを使った。 その際、設営がなるべく楽になるように色々工夫をしたので、備忘録的な意味を込めてまとめることにする。

スティックPCとは

その名の通りスティック型の小型PCのことである。
HDMI端子が本体に直結しているものが多いのも特徴。
小型故に性能がイマイチだが、ネットや動画再生程度の軽い使い方なら十分。
価格も1~4万円とWindowsPCとしてはかなり安めの部類だと思う。

動画再生用スティックPCのメリット

  • 場所を取らない
    モニタの裏側に収まる
    電源ケーブルだけがちょっと邪魔かも
  • USB電源で動くので省エネ
    モバイルバッテリーでも動く
    まぁモニタの方はコンセントが必要だが
  • 起動と終了が超簡単
    起動時は、モニタにHDMIで接続して電源を繋いで電源ボタンを押すだけ、あとは起動後に自動的に動画が再生される
    終了時が、電源ボタンを押すだけでシャットダウンされる
  • そこそこ安い(1~2万程度)

構成図はこんな感じ
f:id:kaiware007:20161115032817p:plain

ぶっちゃけiPad等のタブレット端末に動画入れて再生したほうが構成はスッキリするとは思います。
ただ、大きなモニタとかで映したい場合、タブレット本体の液晶が不要になるので、取り回しはスティックPCの方が楽かもしれません。

今回作ったもの

最初に今回作ったものの写真から。

家に転がってたUSBケーブルと小型ファンで即席USBファン作った。凄い不恰好。

使用したスティックPCはファンレスだったので、長時間動画を再生し続けると熱が溜まってカクついてしまった。
対策として、家に転がっていた小型ファンをくっつけて冷却するようにしたところ、カクつかなくなった。

使用したもの

  • スティックPC
    今回はDiginnos Stick DG-STK3を使用
    1万円以下で買えるWindows10PC
  • 小型ファンUSB電源式
    4cmくらいが良い
    ファン付きのスティックPCなら不要かもしれない
  • 液晶モニタ
    設定&動画再生に使用
  • キーボード&マウス&USBハブ
    設定時に使用
    スティックPCはUSB口が1つしか無いのでUSBハブが必須
    BluetoothキーボードやマウスがあればUSBハブは不要かと
  • 電源タップ
    モニタとスティックPCの2口あれば十分
  • USB電源x2
    スティックPC用とUSBファン用の2個使用した ファンが不要なら1個で十分

設定手順

今回はWindows10だったのでそれに準じた設定を書いていく。

スクリーンセーバーをオフにする

デスクトップ上で右クリック
f:id:kaiware007:20161115012816p:plain

「ディスプレイ設定」を選択


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「電源とスリープ」を選択
画面とスリープの時間を「なし」にする

電源オプションで電源ボタンを押した時にシャットダウンするようにする

「電源とスリープ」の「電源の追加設定」を選択
どのプランでもいいので「プラン設定の変更」を選択
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「詳細な電源設定の変更」を選択
f:id:kaiware007:20161115014707p:plain


「電源ボタンとカバー」の「電源ボタンの操作」を「シャットダウン」にする
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WindowsUpdateの自動更新をオフにする

 色々やり方があるのでググって下さい。

MPC-HC(Media Player Classic - Home Cinema、以下MPC)をインストール

mpc-hc.org

MPCは軽量な動画プレイヤーである。
スティックPCは性能が低いため、プレイヤーが軽量でないと、再生時に余計な負荷が掛かって動画がカクついてしまう可能性がある。
MPCを上記サイトからダウンロードし、インストールしたら起動して下記の設定を行う。

  • 再生時に全画面表示にする設定
  • 再生時に最前面に表示
  • 自動更新確認をオフ

MPCで動画ファイルを再生するバッチファイルを作成

動画ファイルをスティックPCにコピーし、同じフォルダに下記のバッチファイルを作成する。

REM 動画ファイル名
SET MOVIE_FILE=動画ファイル名

REM 動画プレイヤーの場所
SET MOVIE_PLAYER=動画プレイヤーの実行ファイルのパス

START "" "%MOVIE_PLAYER%" "%MOVIE_FILE%"

TASKKILL /f /im explorer.exe
start explorer.exe

最後にexplorerを再起動しているのは、起動直後に動画再生しても何故かタスクバーが隠れなかったため。
動画再生直後に一度エクスプローラーを強制的に再起動するとタスクバーが隠れるになった。
しかし、タスクバーが隠れるようになっても、画面下に数ドットタスクバーが残って動画再生時のシーケンスとか微妙に見えてしまう、完全に隠す方法は模索中…。

あとは、作成したバッチファイルのショートカットを作成し、スタートアップで自動実行するようにする。
スタートアップは下記の場所にある。

C:\Users\[ユーザー名]\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup

隠しフォルダを表示する設定にしておかないと辿れない。
ここに上記で作成したショートカットを置いておく。

パスワード無しでログインするようにする

スタートメニューを右クリックし、「ファイル名を指定して実行」を選択
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ファイル名に「netplwiz」と入力してOKを押す
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自動ログインしたいユーザーを選択し、「ユーザーがこのコンピューターを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」のチェックを外す
自動ログインしたいユーザーのパスワードを聞かれるので、入力してOKを押す
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小型ファンをスティックPCにくっつける

セロハンテープと養生テープで適当にくっつけた。
今回使用したDG-STK3はファンレスなのでファンを追加したが、元からファンがついているタイプのものには不要だと思われる。
今回、3Dプリンタの不要になったエクストルーダーの小型ファンを改造してUSB電源式にした。

つくってみて

実際のイベントでは、フルHD60FPSの動画を問題もなく再生し続けてくれた模様。
前日に熱でカクつく事が発覚して急ごしらえでファンを追加したが、いい感じに動いてくれた。
やはり展示は動くものがあると全然印象が違う。
あと、キャラ絵が出てると、遠くからでも結構目を引く事がわかった。
やはりキャラは大事!

色々設定したが、自動ログインやWindowsUpdateの停止など、セキュリティ的に微妙な感じなので、普段使いはしないようにしたり、大事な物や個人情報は保存しないようにしたり、展示時もテーブルの下など見えないところに本体を隠すなど、安全対策は取ったほうが良さげ。

リンク

tanoshimasu.com

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