自作全方向移動型ラジコン戦車完成までの記録 ~動機編~
Maker Faire Tokyo 2016に「自作全方向移動型ラジコン戦車『ウィーヴィル』」を出展した。
なんだかんだで完成するまで1年ほど掛かってしまったので、その記録を何回かの記事にして残すことにした。
今回は、作るきっかけについて書く。
よって技術的な話はほとんど出てこないと思う。
なぜ多脚戦車ラジコンを作ったのか?
元々多脚戦車が好きだった。
多脚戦車にハマったきっかけは、高校時代に遊んだセガサターンの「バトルバ」という乗り物対戦ゲーム。
バギー、スポーツカー、戦車、ホバー、ロードローラーなど色んな乗り物の武装をカスタマイズして戦う。
その中に多脚戦車っぽいメカがいた。
他の車は、前進と後進、左右の旋回で移動する(戦車は超信地旋回もできる)が、そいつは他の乗り物と違って、”方向転換なし”に前後左右に自由に動けるところに衝撃を受けた。
この”方向転換なし”というところがミソで、前後から挟まれても即座に左右どちらかに移動して避けたり、追い掛けられても逃げながら振り向いて反撃することが可能なのだ。
この操作の自由さに惚れて以来、頭の片隅に常に多脚戦車が残り続けた。
オムニホイールの存在を知る
2~3年前からマイコンや電子工作に興味を持ち始め、arduinoやRaspberryPiでLEDを点滅させて遊んでいた。
ある日マイコン関連でWebを漁っていた所、レゴ製の全方向ロボットの記事を見かけ、そこでオムニホイールの存在を知った。
オムニホイールとは、車輪の表面にローラーが付いた特殊なタイヤ。
車輪軸方向には通常のタイヤと同じように回転して進むことができるが、それ以外の方向からの力がかかると、表面のローラーが回転して滑る事ができる。
ロボコンなどでよく使われるらしい。
「これがあればあの多脚戦車が作れるんじゃないか?」
最初期の試作
早速38mm径のオムニホイールを購入。
100均で売っている壁のコーナーに設置できる棚をボディにし、ハイパワーギヤーボックスHE3つで動作実験。
ある程度形にはなったが、ラズパイやバッテリーなどが台に収まりきらなくなってきたのと、何より見た目が微妙でモチベーションが下がってきていた。
3Dプリンタを買った
モチベーションが下がっていた所、ダヴィンチJrが発売された。
ついに5万円で買える3Dプリンタが発売された。
前々から自分で立体物を作ってみたいと思っていたので購入した。
これがあれば、自分の好きな外装が作れそうだ。
こうして、オムニホイール、マイコン(ラズベリーパイ)、3Dプリンタ、の3つの要素が揃って自作全方向移動型ラジコン戦車の開発が始まった。